第1部: 〜20周年な夜〜 田中公平自身が選んだ劇伴代表作 TOP10 (炎のオケコン体験記)
待ちに待った開演時間。まず東京フィルの方々、そして指揮者がステージに上がります。続いて公平先生がステージに登場すると、その瞬間、会場内が物凄い 嵐のような拍手の渦 に包まれました。いやもう、何と言うか、とにかく凄い! 公平先生がマイクに歩み寄ったので、何かお話をなさるのかなぁと思っていたところ、いきなり1曲目の演奏に突入!
正に、"ドギモを抜かれ" ました。冒頭の第1音から 目一杯にうなりをあげるオーケストラの響き (しかも音質の方もバッチリ)、そして本業の歌手の方 (錦織氏) に勝るとも劣らない 公平先生の声質と声量 ! もう、背筋がゾクゾクして全身に震えがくるような感動を覚えました。 オーケストラコンサートで、じわっと泣けたのは久しぶりです。 「炎のオケコン」 の開幕を告げるに相応しい、文句無し最上級の出来だったと思います。
後日うかがったところによれば、公平先生は当日風邪をひいていてノドの状態などかなりキツかった、とのこと。言われてみればたしかに、最高音部などで僅かに声がかすれていたようにも思いますが、その時にはさほど気になりませんでした。
それにしても、公平先生の本来の "持ち歌" は残念ながらマイナーな曲が多い (失礼) ので今回のコンサートでは歌声は聴けないものと思っていたのですが、よもやこの曲にて披露されるとは…嬉しい誤算でした。本来の歌い手に替わって自ら歌う、という手があったんですね。
歌い終えた公平先生に折笠嬢が加わり、まずは自己紹介。
「こんばんわ。折笠愛です」
「どぉも〜。田中公平ですぅ」
※ 訂正: 実際には公平先生 「こんばんわ。田中公平ですぅ」 と仰ってました。
"どぉも〜" は普段の口癖?(笑) の方ですね。 勘違いしてました (すみません)。
それが済むと、さっそくお二人の司会による順位発表&作品解説 (漫才) の始まりです。選考曲の 「ジングル → 曲の主要部分を短く取り出したもの」 が流れ、続いて 「作品名・曲名」 が紹介されます。公平先生いわく 「"ジングル" だけでわかった人はかなりのマニア良く知ってくれている方 ですね〜」 (← 折笠嬢の指摘により穏便な表現に改めた) …うーむ。(苦笑) まずは、第10位・同第10位・第9位の3曲が続けて演奏されるようです。10位が2作品あるのはチト反則くさいものの、聴ける曲数が増えるのは大歓迎。 「アニメの主要ジャンルである "ロボットもの" 3作品から、それぞれ 発進,合体変形,キメ技 という流れで3曲を選びました」 とのことでした。
金管 〜 ストリングス 〜 金管 とメロディが引き継がれ、それにつれて次第々々に盛り上がってゆくという曲構成は "さすが" の一言。ただ、各楽器による音の調和という点で若干乱雑に思われたのと、そもそも曲自体が短めでやや単調であるところに、若干の物足りなさも感じられました。 この作品、直前予想でリストから外してしまったんですよね〜。いやぁ失敗々々。
要所に "全開の高音ストリングス" フレーズが入る、いかにも 「田中公平らしい」 雰囲気の曲です。曲全体が幾つかの部分に分けられるのですが、今回は何と言っても最後の部分、一連のストリングスのフレーズでの切れ・冴え があまりにも素晴らしく 「流石は東京フィル!」 と唸らされました。とても格好良かったです。
以前記した速報では、「オリジナル曲は、恐らく "ライジンオー見参!" だと思われる」 と書きましたが、思いっきり間違いでした。すみません。 (曲名が全く違っていた&本編を観たことがなかった為、CDチェック時に気付かなかった…) その節は、ご教示ありがとうございました。 > ノンさん
今回、CD収録時とはあえて曲名を変えていたことになりますが、もしかすると公平先生も、使用シーンが不明瞭な元曲名がやや不本意だったのかもしれませんね。
CDで聴くのと比べて、なんと言っても 生のティンパニ強打の迫力 がもの凄く、とても印象的でした。けっこう好きな曲なので選ばれたこと自体は嬉しかったのですが、金管の音がやや割れたような荒っぽい按配に聴こえたのと、せっかく盛り上がったところですぐに終わってしまうような感がある、という2点に少々の物足りなさを覚えました。 …それにしても、この作品って "ロボットもの" かなぁ?(苦笑)
ちなみに、プログラム等にて 「ウルトラ旋風切り」 と記載されていますが、(あえてわざと変えたのでない限り) 「ウルトラ旋風斬り」 が正しい曲名です。
ここで再び、折笠嬢と公平先生が登場。第8位と第7位が発表されます。 「子供を連れて公園なんか行った時に、お仕事は何ですかってよく聞かれるんですが…そんな時に代表作として挙げるのがこの2作品です」 との公平先生の弁。 「トップ (トップをねらえ!)」 とか 「ガガガ (勇者王ガオガイガー)」 とか言っても、お母さん達はわかってくれないそうです。さすがに。(苦笑)
やや雰囲気が暗めの曲なので ONE PIECE の代表曲としてはどうかなぁ…と (予想では) 考えていたのですが、物静かで雄大な曲調が生オーケストラの魅力を存分に引き出していたように思います。とても流麗かつメリハリの効いた演奏で、東京フィルのレベルの高さが肌で感じられた1曲でした。あえて欲を言えば、静かに抑えた曲調のところなどは、各ストリングスパートの ソロで "聴かせて" 貰いたかった ような気もしないではありません。
今回演奏されたのと同じ名前の曲である 「片翼の鷹 [オリジナルカラオケ] (同音盤 Track18)」 は、主メロディラインが入っていない (カラオケなので) ため、コンサートでの演奏曲とはやや雰囲気が異なります。
演奏が開始されるや否や、いままでの曲とのあまりのギャップ(笑) に、思わず堪え切れずに笑ってしまう観客 (聴衆) が続出します。生オーケストラでの木管の音色によるあのようなおマヌケ系曲の演奏には、何とも 筆舌に尽くしがたいミスマッチ感 があり、とても感慨深かったです。いやもう、本当に。
ただ、演奏的には "やや中休み" といった感じで、少々気が抜けていたような…。 まあ、曲調的には、それくらいの方が力が抜けて(?)丁度いいような気もしますけど、ね。
続いて第6位と第5位の発表。ここに、件の 両極端(笑) なガンダム2作品 が入ってきました。 「私が音楽を担当したGガンダムは、従来のガンダムファンの方々には かなり 評判が悪かったと言うか… (云々)」 などと会場の笑いを誘う公平先生。続いて、折笠嬢が幾つかのガンダム作品に出演しているという話になります。
「どの作品に出演なさってるんでしたっけ」
「はい、"Vガンダム" に出てます」
「Gガンダムの 前作 ですね」
「…あと、"ガンダムW" にも」
「Gガンダムの 次作 ですね」
「…」
「避けてません?」
※ 訂正: この "避けてません?" に至る一連の会話は、実際には第10位の前のトークにて話されていました。
お詫びして訂正させて頂きます (ガンダム関連の話題なのでここで話されたものと思い込んでました…)。
演奏面では、何ら文句のつけどころの無い出来だったと思います。 …が、正直言って、この選曲については個人的にかなり疑問があります。この曲は、良くも悪くも 「第08MS小隊」 という作品を離れた一つの交響曲 (の1楽章) と言えるもので、それを 「第08MS小隊の代表曲」 とするのは少々問題がある のではないでしょうか。また、「recorded in PLAHA」 というCD収録曲の一連の流れの中で聴く分にはOKでも、そこからこの1曲だけ取り出してしまうと、どうしても盛り上がりに欠ける&印象が薄いような感は否めません。
…ていうか、そもそもこの曲って 劇伴曲じゃない のでわ? …反則ですよぉ〜 (笑) > 公平先生
要所のフレーズがとても印象的なこの曲、選ばれたのも至極当然と納得のいくものがあります。ただ、以前CDにて聴いた時にも思ったのですが、今回のコンサートアレンジでもやはり、曲全体の長さに比して同一フレーズの繰り返しが多いため単調で間が持たないような感がありました。 …とか言いつつ、冒頭のトランペットのあまりの格好良さ にすっかりシビれてしまい、実はさほど気にならなかったのですが。(笑)
順位もだんだん上がってきて、ここからは1曲ずつの発表となりました。第4位には、松本零士代表作の再映画化ということで話題となった (おかげで 「音楽担当 田中公平」 がイマイチ話題に上らなかった…) 「999エターナル」 がランクインです。この作品の劇伴曲は、公平先生がロシア入りし 「モスクワ・インターナショナル・フィル」 の演奏で収録されたとのこと。それがちょうど真冬の頃で、極寒の中を観光に連れて行って貰ったものの 「やたら寒くて大変だったですよ〜」 と仰っておりました。
正に、生オーケストラの醍醐味を存分に満喫・堪能 させて貰いました。曲それ自体の出来、当日の演奏の出来、ともにバッチリで全く文句のつけどころがありません。 それに、予想の方もバッチリだったことですし。(笑) ちなみに、当日発表された曲名とサントラ収録のオリジナル曲名とは異なったものになっています。
続いてベスト3へと入っていきます。第3位として発表されたのは…な、なんと 「バスタード」 !? これは正直、意外な感がありました。 「当時は、パロディ曲の依頼ばかりが来るという状況だったのですが、やはり作曲家としてオリジナル曲が書きたい! とずっと思っていました。そんな時に依頼され担当したのがこの作品で、自分としてはかなり思い入れがあります。で、今後はオリジナルしか書かないぞ、と固く決意しました」
実はそれまで数回しか聴いたことがなく、作品・曲ともにやや印象が薄かったのですが、流麗かつ落ちついた曲想&演奏がなかなかの好印象でした。特に 要所のヴァイオリンソロ の素晴らしい響きには、思いきり魅了されてしまったと言っても過言ではありません。 …ただ、メロディラインが飛び抜けて秀逸という曲ではないので、一発で聴衆を惹きつけるような魅力には残念ながら欠けていると言わざるを得ません。 ちなみに、08MS小隊に続きこの曲も、実は 劇伴曲ではありません。うーむ…。(苦笑)
コンサート前半もそろそろ大詰め。 ここまでくると、残るは 例の2作品 に間違い無いな、と大体予想がつきますね。(笑) いよいよ第2位の発表となり、ジングルが流れる早々に私的感激モードへ没入です。 …と、先程 第3位を発表した時の真面目な調子とはうって変わった 軽妙トークが。
「…パロディ作品ですね」
「いやぁ、やはり パロディもあっての田中公平 ということで〜」
「オリジナル作品より順位が上 ですねぇ」
まずは 「ノリコ」 について。この曲は実は、私が "田中公平ファン" になるきっかけとなった曲の1つでもあり、それだけに今回演奏されたヴァージョンには幾つか言わせて貰いたいことがあります。この曲はそもそも、ストリングスとピアノによる2つの主メロディが絡み合って構成されていますが、今コンサートでは、その根幹主要パートである筈の ピアノ担当側メロディが完全に抜けて しまっていました。せめて、他の楽器に割り振ってでもそちらのメロディラインを織り込んで欲しかったです。 (現実問題としては、ピアノ以外ではかなりキビしそうですが…) また、金管の音が突出し過ぎていて、そのせいでトータルのバランスがやや悪かったような印象も受けました。 (これは、聴く位置による問題かもしれません)
続いて 「時の河を越えて…」 です。正直言って、公平先生がパロディ曲であると公言してはばからないこの曲が演奏されるとは思っていませんでした。 私としては、この曲のBest10入りはとても嬉しかったです。 オリジナルであろうとパロディであろうと、良い曲はやっぱり良い! のですから。 (今後も *たまには* パロディ曲も書いて頂ければなぁ、と思います)
途中がかなり省略されてしまったのはやや残念 (まあ、オリジナルがかなり長い曲なので仕方ないですね) でしたが、あのEDの絵を思いだしつつ、思いっきり堪能させて貰いました。ただ、パーカッションの音が強く出過ぎていたようで、唯一その点だけがやや気に掛かったように思います。 (これも、もしかすると聴いた位置のせいかもしれません)
という訳で、とうとうコンサート前半の最後、第1位の発表です。ここまでくると大多数の方が予測できたことと思いますが、「田中公平’s 劇伴ベスト (公平先生自薦) 作品」 は 「ガガガ」 ということに決しました。私としては 十二分以上に納得できる結果 だと思います。この作品の音楽世界を未だ体験していない方は、是非サントラを購入して聴いてみることをお薦めします。粒揃いの秀作曲群が、きっと貴方を待っていることでしょう。
まずは 「GGGのテーマ」 について。はっきり言って 第1部随一! の素晴らしい演奏だったと思います。流麗かつキレのあるストリングスと、その合間を受けて曲を盛り上げていく管楽器、という構成による明るくかつ雄大な曲調が、生オーケストラでの交響の魅力を極限まで引き出し・また逆にそれによって曲自体の本来の魅力を引き出されていたように思いました。
続いて 「いつか星の海で」 に入っていきます。TV版のED曲を大幅にアレンジしたスローテンポの曲で、今回のコンサートではそれが更にストリングス主体に再構成されていたようです。静かで落ち付いていながら、なおかつ 豊かな情感に溢れた、"見事な曲" そして "見事な演奏" でした。
最後は 「勇者王誕生!」。これまた素晴らしく大迫力のテンポ良い演奏で、前半を締めくくるのに相応しい文句無しの選曲と感じました。 何と言っても 次回予告に使用された曲 ですし。(笑)
以上、正に 「第2部へ続く」 といった感じで、強烈な余韻を残しつつ第1部は終了となりました。
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